自分の感覚を信じられなくなる~虐待家庭の傷~

人間関係の悩みや子育てや夫婦関係に悩んでセラピーに来られる方には

自分の感覚が間違っているのではないか
自分の感じ方がおかしいのではないか

と、自分の感覚を信じられないという方が非常に多いのですが

この自分の感覚を信じられない人達の背景に、子供の頃から暴力や暴言などで親に心を支配され、自由に感じる事や考えることを禁止されてきたなどの虐待家庭に育ってきた人たちが多いのです。

言いたい事を言うと殴られたり、怒られて泣くと更に殴られたり。いうことを聞かないだけで家から追い出されたり、一晩中家に入れてもらえず朝まで震えていたという方もいました。

こうした虐待家庭に育つと、だんだん子供は親の考えに洗脳されていくようになります。

嫌だと思う自分がおかしいのだ
泣いてしまう自分が悪いのだ
親を怒らせてしまう自分が悪いのだ

と、自分に起こる全ての原因を自分のせいだと感じるように洗脳されていくのです。つまり強い罪悪感を持つようになるわけです。

これが親の心理的な支配です。

この心理的な親の支配はそれだけでも十分な恐怖を植え付けますが、中にはそれ以上に
世界は敵だと子供に教えることで
子供を心理的に孤立化させて
自分以外の場所へ行かないように
家庭という密室の中に閉じ込めるように仕向ける

という親も実は存在します。

外の世界には味方なんていない
どうせお前のことを助ける人間なんていない
お前の言葉を信じる人なんているわけがない

などという言葉を使って、子供に無価値感を植え付けながら、世界は敵であると教えるわけです。

そうして子供に無価値感を植え付けて、心理的に孤独にすることで、より強く子供を支配する事が出来、親にとって都合の良い子供にするためです。

本当は家の中で父親が毎日のようにお酒を飲んで暴れている事や
本当は家の中で母親が子供たちに暴力をふるっている事など

家の中で悲惨なことが起きている家庭ほど、家の中で起きていることを秘密にさせようとする親が多く、子供が外にもらさないように、家の中の恥や自分たちの恥が外の世界にばれないように、子供の口を封じる為に世界を敵だと教える傾向があります。

その状態で起きる最悪の問題が性虐の問題です。

実際に、私がセッションで扱ってきた性虐に会ってきた多くの人達の特徴として

そもそも孤独な状態に追いやられている
母親に愛されていない
母親に嫌われている
母親に邪魔にされている

夫婦仲がうまくいっていない

など、ずっと孤独な世界の中に生きていたというひとが非常に多くいました。

そもそも孤独で、誰も助けてくれない事が分かっているからこそ、自分の被害を誰にも言えず、がまんするしかなかったからです。そして何よりも自分の存在が惨めで恥ずかしく、ますます言えなくなっていくからです。

性虐の問題は外の人との関係でも起こるものですが、セラピーの中の現実では、家庭の中で起きているケースも非常に多いです。それは父親からだけではなく、兄弟間での被害もとても多いものです。

私が扱ってきた方の中には、母親にずっと無視をされ、存在を否定されてきた方が、唯一のぬくもりを与えてくれた父親に逆らえず、嫌な関わりであっても受け入れてしまったという方もいました。

そうした人達は自分が受け入れた事を恥じて、拒絶しなかった自分を責めている感覚もあり、
自分が悪かったのだと思っているからこそ、親を責める事も出来ず、自分に起きた被害を自分の心の中にしまいこみ、誰にも言えないまま孤独の世界で痛みをひとりで抱えて生きてきたという方もいました。

私がそういう人達のセッションをしていて思う事は、本当に一番辛く怖かったことは、虐待の事実もさりながら、自分にとって世界でたった一人の親からそんな扱いをされる存在だった自分の惨めさを感じることや、誰にも助けてもらえない環境の中でずっと孤独だった事実を感じることだと感じています。

誰も味方のいない世界の中で、繰り返される虐待がどれほど怖く、そしてその相手が親であるということがどれほど絶望的なものか・・・想像に難くありません。

そういう方にとって一番必要な事は、その環境に置かれているのは自分のせいではないと知ることです。どんな理由があったとしても、子供の頃の自分は何も悪いことはしていない、自分のせいではないということを体感覚で知る為に、過去の自分を助けてもらう体験をすることです。

あなたは悪くないと教えてもらい、味方ががいる感覚を知ることです。

子供はひとりでは生きていけない存在です。親に自分の存在を認識してもらわなければ、子供は自分を存在させられないのです。親の目を通して子供は自分を知り、親の目を通して自分の価値を学んでいきます。

親に大事にされるからこそ、自分は生きていていい存在なのだと思えるし
親に味方をしてもらえるからこそ、自分のために戦う勇気が育つのです。

嫌なものにきちんと嫌と言えること、自分の尊厳を守る為に戦えること、自分のために意思を出せること、それらは心に安心感と愛着の感覚がなければ出来ません。

だから、愛着がない人達は大人になると、人間関係で様々な問題を起こしてしまうわけです。その理由は、人との間に境界線をもつ事が難しくなるからです。

人と繋がる為には
嫌な感覚を殺しながら
相手を受け入れて
飲み込まないといけない

という前提が無意識の中にあるので、相手との間に自分の意思で境界線を引くことが恐怖になるからです。

境界線を引いてしまったら
本当に孤独になってしまう
誰にも見てもらえない
寂しさと不安が襲ってくる

だから、嫌を殺して飲み込み、相手を受け入れるという関わり方を続けるようになり
人からの不快な扱いや不当な扱いを受け入れ続けてしまうということが起きやすくなるわけです。

この状態を抜ける為には、自分を孤独にしながら支配している親の狡さをしっかりと見て、親がしていることは自分の寂しさを利用した暴力である卑怯な手段であると知る事が必要です。

自分の寂しさを人に利用させてはいけない
自分の寂しさを利用させて自分を蹂躙させてはいけない

と気付くことが必要です。

寂しさは人が一番感じたくない感情だからこそ、人を利用する人はこの感情をうまくねらってきます。
その相手のずるさを跳ね返す為にも、利用を受け入れないためにも、幼少期の貴方の孤独と恐怖の感覚を癒すことが大事です。

つい人を受け入れすぎてしまう、孤独になるのが怖くて良い人をし過ぎてしまう等の問題に心当たりがある方は、まずはなぜ、自分が相手を受け入れすぎてしまうのか?どんな原因が根本にあるのか、をカウンセリングから整理してみるのもお勧めです。

性虐や虐待などのトラウマを根本解決するには、対面セラピーが必要ですが、まずは問題整理から向き合ってみられるのも良いと思います。いつでもお気軽にご相談下さい。

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