子供の成績に一喜一憂してしまう・心が振り回される理由

こんにちは。大阪・河内長野の心理セラピストの喜多村純子です。今日は、子育ての悩みでも多い子どもの成績に振り回されてしまう悩みや、子供の成績に関する悩みについてこの問題の本質と解決方法をお伝えしていきます。

良かったら最後まで読んで下さいね。

子供の成績が気になる時とは

さて。親御さんたちが子供の成績に悩む時とはどんな時でしょうか。私も今でこそ子供たちが大学生になって成績云々で悩むことは無くなりましたが、子供たちが小学生の頃は学校の成績やテストの点数、ピアノの出来不出来などでよくカリカリと怒っていました。

鬼のような形相で「ちゃんとやりなさい!」と叱りつけた事も1度や2度ではありません。(おかげで今でも私は、鬼母だったと子供たちから言われています。苦笑)

振り返るとその頃の私はいつも周りのお母さんたちの目を気にして、周りの人から自分がどう見られているか?そればかりを気にしていました。

要するに子供が良い子でいる事(優秀でいること)が、自分のお母さんとしての価値の証明のようになっていたのです。学校で良い成績を取って先生に褒められる、ピアノの演奏で周りのお母さん達から「すごいねー」と言われる、義理の両親から優秀な孫だと認められる、そういう周りからの賞賛の言葉で自分の劣等感を埋めていたのです。

だから子供たちが良い子でいてくれること、優秀で人から褒めてもらえるような子でいてくれる事がとても重要だったのです。

子供の成績に一喜一憂してしまったり、子供が良い子として周りに認められることに過剰に反応が起きるお母さんたちには、当時の私と同じような心理が働いていることが多いのです。

子供の成績への過剰な期待が生み出す更なる問題

でも、ここで最初に私がお伝えしておきたいのは。だからと言って、この記事を読んで下さっているあなたが、自分が認められたいから子供を良い子にしようとしている・・・と、責められているように感じて欲しくないのです。

人に認められたい、素晴らしい人と思われたいという気持ちは人間の誰の中にもあるものです。いわゆる承認欲求と言われるものですが、これは人がより良く生きていきたい、自分を成長させたいという気持ちと深い関係があると言われています。劣等感も同じように人を成長させていく為の力になるもの、決して悪ではないからです。

ただ。確かに、子供に対する過剰な欲求は親子の関係を苦しいものにしていきがちです。お母さんの前で良い子でいなければならないと感じている子供たちは、成長するにつれ親に本音を話さなくなったり、自分の失敗やミスを隠すような生き方をするようになる事もあります。

また、親の期待を裏切ることへの恐怖から失敗を過剰に恐れるようになり、失敗を避けるために挑戦が出来なくなってしまったり、些細な出来事から不登校になってしまったり、引きこもりになってしまう子供さんもおられます。

そういう意味では、子供の成績に一喜一憂してしまうようなお母さん自身の心の不安や劣等感は、やはりお母さん自身の手できちんとケアをして、子供に自分の心の不安を埋めてもらう形を手放していく事は大事だと思いこの記事を書いています。

問題解決の方向性は、お互いの健全な関係と、健全な親子関係を築いていく為に、です。

親自身のコンプレックスの問題

そして念のために言いますと、この記事を書きながら、お子さんの成績に悩んでいるお母さん達のことを私は1ミリも責めたくないと思っています。なぜなら、どんな形であったとしても子育てに必死で向き合っているからこその焦りであり、子供のためを思う気持ちがあるからこそ起きる不安だからです。

それを踏まえた上でお母さんやお父さんたちには、ご自身が抱えている問題と向き合って欲しいなとは思っています。

では改めて、子供の成績に不安が過剰になる、心が振り回されるほど一喜一憂してしまう心理的原因とは何が考えられるのでしょうか。私が沢山のセッションをしてきた中でも多かったのは

  • お父さんやお母さん自身の学歴に対するコンプレックス
  • 幼少期の家族の中での差別や否定(兄弟間で比較されバカにされてきたなど)
  • 家族がみんな優秀で高学歴出身
  • 医者や教育者など学歴が現れやすい仕事をしている人が多い

など、学校の成績や学歴に対して反応が起きやすい幼少期を過ごしてきた方がやはり多くおられました。

特に昭和の時代では、男の子は大学に行かすけれども女の子は短大で良いとか、家族の中で優秀な子供だけは大学に行かせるけれどもそれ以外の子供は高校を出たら働かせるなどの教育差別は珍しい事ではありませんでした。

そのため今、自分自身が思うような教育を受けられなかったという挫折感や、それによって就職で苦労をしたという経験や、自分だけが家族の中で惨めな扱いを受けて悔しかったという思い出を抱えているため、子供の成績や学力や学歴と向き合う場面が来ると、どうしても過去の悔しい思い出が表出し、冷静さを失ってしまうということが起きてしまうのです。

ひとことで言えば、過去の感情の吹き出しが、今の貴方の子育てを苦しめているということです。

学歴コンプレックスの陰にある心の傷を癒す

子供は親から学んだ価値観をもとに育ちます。そして、親が評価するものを価値あるものとし、親に評価されないものは価値がないものと言う風に心の中で選別していきます。

それは幼少期の子供にとって一番欲しいものが親からの愛情と承認だからです。

親に認めてもらうこと、愛してもらうことが子供にとっての一番の幸せであり満足を感じるものだからこそ、子供は親に認めてもらえるような子供になろうと必死になるのですが、それが得られない時、子供は二種類の方法を取ってその心の傷つきから逃れようとします。

1つ目は「学歴だけが人生じゃない!親からの愛情なんていらんわ!」と強がって平気なフリをするパターン

2つ目は「良い大学に行けなかったのは自分がダメだからだ、自分はダメな人間だ」と落ち込んで自分を責めるパターン

多くの人はこの両方を心の中で行き来しながら、人前では強がって平気なフリをしながら、心の中で時々思い出しては泣いてみたり・・・とどちらか一方を選ぶというよりは、両方を行き来しながら自分の心の傷つきを癒そうとするのです。

表出している行動は陽と陰でわかれますが、心の中の傷の形は同じです。親に認めてもらえなかったことが悲しかった、親にバカにされていたことが悔しかった、それだけです。

子供の成績に一喜一憂してしまう人達はこの心の傷が、まだ深く残っている人達と言うこと。親に認めてもらえなかった傷つきがまだ癒えていない人達なのです。

だからまずはその心の傷を癒すことが大事なのです。本当は自分だって大学に行きたかった、とか、本当は自分だって好きな仕事を選びたかった、とか、親に対して言いたくても言えなかった言葉と感情を自分の中で認めてあげることが大事なのです。

解決していくために出来ること

学歴コンプレックスを抱えていたり、コンプレックスまではいかなくても自分に自信がないと感じていたり、子供の勉強を気にし過ぎてしまう人達は、必ずと言って良いほど心に劣等感を抱えています。

劣等感とは傷つきの証です。
そしてその傷つきは子供の頃の体験によるものがほとんどです。

だからつい大人になった私たちは、もう子供時代の事だし気にしていないなどと言って、心の傷を過去のものとして軽く済ませてしまいがちですが、今現在のあなたの現状や現実で、心が振り回されるほどの大きな感情の揺れが起きているとしたら、それはまだあなたの中では過去に出来ていない証です。

まだ傷ついたままの小さい頃の貴方が、身体の中で終わっていないよーと叫んでいる証なのです。

その叫んでいる声はきちんと拾ってあげなければ聞き取ることは出来ないものです。「本当はなんて言いたかったんだろう?」「本当はどんな気持ちだったんだろう?」とひとつひとつ過去を拾い上げて、海岸で拾った貝殻をひとつひとつ洗ってビンの中に詰めなおしてあげるように、綺麗にして自分の中に戻してあげる作業が大事なのです。

その貝殻をひとつひとつ洗って、綺麗にしてビンに詰めなおしていく作業を行うのが心理カウンセリングです。

過去の傷はきちんと癒して綺麗にしてあげれば、こんどはあなたの未来への財産に活かしていける宝物になります。傷を知る人は人に優しく出来るようになりますし、自分の心の痛みと向き合い癒せる人は、人の心の痛みに対しても優しく寄り添える心の温かさを育てていく力を身に着けていけるようになるものです。

だから、自分と向き合った親御さん達はみんな、子育てが楽になっていくのです。
それは自然と心から優しい気持ちで子供と向き合える心の余裕が育まれていくからです。

そして、自分と向き合った親御さん達に育てられたお子さんたちは、その温かさを手に強く生きていける人になり、人と信頼感で繋がれる力を持てる成熟した大人の感覚をもつ人間になっていきます。そうやってひとりのお母さんの幸せが、子供に続き、さらには孫に・・・そんな風に循環していけたら世の中はもっと幸せになるだろうなぁと思っています。

だから、この記事を読んで下さっているあなたがもし、自分から変わりたいと思ったらいつでも相談して頂けたら嬉しいなと思います。全力でサポートさせて頂きます。

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