こんにちは。
大阪・河内長野で、自己否定を自己肯定に変えて、人生を生きやすくするお手伝いをしています心理セラピストの喜多村純子です。
今日のテーマは家庭内いじめについてのお話です。家庭内いじめって、なかなかハードな言葉なのでドキッとされる方もいるかもしれませんが、セラピーの現場の中では実は決して珍しくはありません。
例えば、男の子の兄だけは可愛がられて、女の子の自分は無視されていたとか、妹だけは可愛がられていたのに長女の自分だけは母親からずっと嫌われていた、とか。こうした経験をしてきた人は、非常に多くセラピーにも沢山来られています。
なので、今日は、こうした家族の中での見せしめのような扱いを、家庭内いじめと定義しこの記事内ではその家庭内いじめについてお話する事にしました。
家庭内でいじめられ、今も対人恐怖や自己否定の悩みに苦しんでいる方にとって、この記事がその苦しい闇を抜けるヒントとなれば嬉しいです。ぜひ最後まで読んで下さいね。
家庭内いじめとトラウマの関係
家庭内いじめとは
私はセラピストとして年間300件近い件数の心理セラピーをしていますが(カウンセリングも含みます)、セッションの現場で、実は非常に多いのが家庭内いじめの問題だと常々感じています。
家庭内いじめって殴ったりすることや、暴力やネグレクトなどの見える虐待のことを想像されるかもしれませんが、私が見てきた家庭内いじめとは、もっと陰湿なものも沢山ありました。
例えば過去に来られたクライアントさんの事例でお話しすると
- 母親が弟と妹だけを可愛がり、長女だけは陰気だとかじめじめしてると言って蔑む
- 跡取りの長男だけを可愛がり、長女の娘には塾にも行かせず大学にも行かせなかった
- 兄弟げんかをすると、必ず長女だけを怒り、正当な言い分を一切聞いてもらえなかった
- 他の兄弟と親が一緒になって特定の子供だけバカにしたり意地悪や仲間外れをする
などなどです。
これらはあくまでも事例の一つですが、生き辛さを抱えてセラピーに来られた方達には、はこうした家庭内いじめを経験してきた人たちが非常に多いのです。
人生が絶望から始まっている
家庭というのはある意味密室です。
家族以外の人間が介入しない、そして強者と弱者がはっきり存在している密室の空間です。だからこそ、その中で本来守ってくれるべき親に阻害され、排除される経験をする事は計り知れない絶望になるのです。
私はいらない子なのだ
私はどうでも良い存在なのだ
どうして私は生まれて来たんだろう
と言う強い絶望感と自己否定の感覚を抱くようになり、生涯にわたり苦しい感覚を生み出すことになるのです。
自己否定の問題が起こす負の連鎖とは
一番最初に所属した家族というグループの中で、差別されたり、否定されてきた人たちは、この時の家族の中での疎外感をずっと抱えながら生きる事になります。
だから学校や会社、友人グループの中でもいつも排除される恐怖が消えず、自分は受け入れられていない存在だと感じやすいために、
人と親しくなりたいのになれなかったり
否定や拒絶が怖くて相手の顔色を見過ぎてしんどくなってしまったり
バカにされないように過剰に防御し過ぎて人ともめやすかったり
と人間関係にしんどい感覚を抱えやすくなるのです。
そして。さらなる問題は。この行動パターンを繰り返していると、自分が人に受け入れてもらえない存在だという頭の中の前提を強化することになり、対人恐怖が悪化し、ますます問題が強固になっていくというところにあります。
自分の生き方によって、自分の脳内の「私はひとに愛されない、阻害される人間だ」という前提を確認し続ける人生になってしまうからです。これを反復脅迫と心理学では言いますが、これが負の連鎖となり抜け出せないループになってしまうのです。
家庭内いじめから来る負の連鎖を抜けるために
様々な家庭内いじめのケースでセッションしている時、見えてくるのは親の問題です。
家庭の中で、特定の子供をいじめたり阻害する親は、親自身に強い自己否定や劣等感の問題があり、その自分の劣等感を刺激する子供を差別していじめたり(自分が大人しくて人に近づけない子供だったからそれと似ている娘にイライラするなど)、だからこそ、自分の劣等感を埋めてくれる人に気に入られるような明るくて可愛いスターの子供を可愛がったりと、親の問題が原因になっていることが多いのです。
よく出来るお姉ちゃんは自分の無価値感を埋めてくれるから可愛い
でもダメな妹を見ていると子供時代の劣等感を刺激されて苛々する
夫は自分のことは見てくれないのに娘だけを可愛がる
その怒りを弟を可愛がる姿を見せることで嫌がらせして腹いせする
自分が行きたい学校に行かせてもらえなかった不満を
子供の希望を打ち砕き、思い通りにすることで解消する
これらは全て、親の自己否定や劣等感の問題です。セラピーではこうした親の問題を浮き彫りにしてゆくことで、クライアントさんが感じている自己否定の呪いを解いていくのです。
自分が抱えて来た劣等感や自己否定は、親から植え付けられたものだということを自覚する為です。
親の問題は親のものであるという視点で見れるようになると、自分への否定の感覚が必ず緩んでいきます。もう、自分を責めて、ダメな人間だと思いながら生きる必要がなくなるからです。
本当の自分を取り戻し、幸せに生きるために
ですが、実際には。
自分の問題と親の問題を切り分けるというのは、なかなか自力では難しいものです。それは、幼少期の感覚は生存のトラウマと繋がっていることが多く、親からの恐怖支配によって洗脳されているような状態に近いからです。
特に暴力や罵倒などが日常的にあったという家庭の場合は、そのトラウマの深さは言うまでもありません。
トラウマは人の前頭葉に傷をあたえ、自分の意思で考える力を狭めてしまうと脳科学の先生も言われるほど、脳に深刻なダメージを与えると言われています。
このトラウマを解決する為には、過去の感覚を安全な場所において再体験させることで、安心感に変えていく必要があります。それは自分だけの力では出来ないのです。
私も家庭内でずっと阻害され、いじめられてきた一人です。対人恐怖も非常に強かったのですが、今は人を信頼し、暖かな関係を築けるようになりました。家族との関係もがらりと変わりました。
それは、自分で人間関係を選べるようになったからです。
付き合いたい相手と付き合いたくない相手を自分の意思で選ぶ事は大事な事です。あなた自身を大事にしてくれる人と望む関係性を築いていけるようになること、それが一番大事な事です。
自分を嫌ったり、否定したり、意地悪してくる人との関係にしがみつく必要はありません。
自分を大事にしてくれて、あなた自身も大事にしたいと思える相手をちゃんと選んで付き合うようにすると、自然に自己肯定感は育っていきます。
あなたを傷つける人からはちゃんと離れられるように
あなたを大切にしてくれる人を大事にして生きられるように
あなたの傷ついた自己肯定感をちゃんと癒していきましょう。