【心理】理不尽な扱いを受けた時どうしたら良いの?

皆さんは理不尽な扱いにイラっとしたり、不愉快な気持ちになった経験はないでしょうか。

私は悪くないのに(責任がないのに)怒られた
自分のミスではないのに人のミスを押し付けられた
感情的に一方的な怒りをぶつけられた

このような経験をしたとき、人は理不尽な扱いを受けたと感じて怒りを感じます。
では、そうした理不尽な扱いに対しては具体的にどうしたら良いのか・・・?となると、あなたは明確に答えが出せるでしょうか?

今日のコラムでは、この理不尽な扱いを受けた時にどうしたら良いのか、そして、理不尽な扱いを受け入れてしまう心の背景についてお話したいと思います。

なお、今回のこの記事はまいどなニュースさんからのご取材でお答えした内容を補足する意味もあって書いています。良かったらこちらのまいどなニュースさんの記事も併せて読んでみてくださいね。

理不尽を感じる場面とは

例えばあなたにはこんな経験はないでしょうか。

自分のミスではないのに、それを自分の責任として追及される。
上司のミスや他の人のミスを自分の責任にされる。

曖昧で不明確な指示にもかかわらず、
「言われた通りにできていない」と叱責される。
些細なミスを繰り返し必要以上に責め立てられる。

自分だけ過酷なシフトや長時間労働を強いられる。
自分の頑張りが評価や給料に全く反映されない。

上司の機嫌が悪いからという理由で、八つ当たりされる。
理由もなく怒鳴られたり、大声で感情的に叱責されたりする。

故意に相手のミスを誘発するようなことをする。
他の人の成果を自分の手柄として横取りする。

これらは、ネットで検索したままを転載させて頂いたのですが、いかがでしょうか?
これらの理不尽な扱いを感じた事例は、あなたにも当てはまらないでしょうか。

これらの結果からわかるのは、私たちが理不尽だと感じて怒りを感じる場面とは、

自分の責任ではないものを押し付けられた時
社会やモラルにおいて正しくないことがまかり通っていると感じた時
自分の言動が原因ではなく、相手の都合や感情的な理由で不利益をうけたとき

と言えるのかもしれません。

理不尽な扱いを受けた時どうしていますか?

理不尽な扱いを受けても、堂々と言い返せる人もいれば、何も言えず黙ってしまう人もいるかと思います。
余談ながら私は完全に後者でして(苦笑)、なかなかその場で堂々と言い返すのは出来ないタイプです。
バシッと言える人はすごいなぁとは思っていますが、自分の個性として合わないので、言わねばならない時以外は、あまり何も言わない行動を選んでおります。(これも自己受容の大事なことです)

では、あなたはどうでしょうか?

理不尽な扱いを受けた時、どんな風に対処(行動)しているでしょうか。

・怖くても頑張って言い返す
・そもそも怖くないのでバシッと言い返す
・怖いので我慢して従う
・怖いので平気なフリをして笑ってすませる

思いつくものを色々あげてみましたが、いかがでしょうか。当てはまるものはありましたか?

ここで大事なことをお話しますが、どの方法を取っていてもその自分のやり方に納得していれば、わたしは個人的には問題ないのではないかと思っています。

言い返すという行動も、言い返さないという行動も、あなた自身が納得したうえで選んだ行動であるならば、どんな方法を取ろうとも誰にも文句を言われる筋合いはないからです。

ですが

本当は言い返したいのに言えない
本当は怒りたいのに怒れない
本当は『それはおかしい』と声を上げたいのに出来ない

という風に、望む行動をとれなくて苦しいのであれば、理由をちゃんと見つけて解決してあげることは必要です。

なぜなら、〇〇したいのに出来ないという状態は心のストレスになり、仕事もしにくくなるでしょうし、もしかしたら職場にいることも辛くなるかもしれないですし、

なによりもその今の状態があなたの心身にとって、大きな不利益を生み出している可能性が高いからです。

なぜ理不尽な扱いを我慢してしまうの?

ではなぜ、あなたはこうした理不尽な扱いを(ストレスを感じながらも)我慢してしまうのでしょうか。

まずは、その心理的背景や原因から見ていきましょう。

①「自分が悪いのかもしれない」と感じやすい

心理背景: 幼少期から「人を怒らせてはいけない」とか、なにかあると「お前が悪い」と言われて育てられた人は、他人の怒りや不機嫌を見ると、反射的に「自分のせいだ」と感じやすくなります。
事例: 上司に理不尽に怒られても、「自分の説明が悪かったのかも」と自分を責めてしまう。

②「嫌われたくない」「見捨てられたくない」

心理背景: 愛情を与えられらる条件が「良い子」でいることとセットになっていた人は、我慢することが愛される条件(人に受け入れてもらう条件)と信じてしまいやすくなります。
事例: 同僚や友人に無理なお願いをされても断れず、疲れ果てるまで応えてしまう。

③「我慢するのが大人」「強い人は耐えるもの」

心理背景: 我慢を美徳とする価値観を家庭や社会から学んだ人は、我慢していることを偉いと感じたり、いい子で感情を抑えていることを「それが正しい」と感じやすくなります。
事例: パートナーの理不尽な言動にも「これくらいで怒るなんて子どもみたい」と自分に言い聞かせてしまう。

④「相手を変えるより、自分が変わる方が早い」

心理背景: 幼少期に親や周りの大人たちに反論しても、理解されなかった経験が多い人は、「どうせ言っても無駄」と思いやすく、相手に意思を伝えることを諦めやすくなります。
事例: 意見を言うと反発される職場などで、次第に黙って従うことが当たり前になる。

⑤「理不尽を感じる感覚」自体が鈍くなっている

心理背景: 幼い頃から支配的な親に育てられ、暴力暴言などを受けていた人達は、常に「自分の感情を感じる」ことを後回しにしてきたために、人生そのものや人間そのものに対して諦めの感覚が強くなり、理不尽を感じること自体が苦手になりやすくなります。
事例: 本当は傷ついているのに、「こんなものか」と感情が動かなくなっている。

これらが、理不尽な扱いを我慢してしまう人たちの心に起きている可能性が高い心理的背景です。
いかがでしょうか?

あなたにも心当たりがあるのではないでしょうか。(ちなみに私は上記で言いますと、①②④がとても強い傾向があります。我慢強い長女でしたので、我慢していることが家の中で受け入れてもらえる条件だったのです^^;)

理不尽な扱いを我慢するのをやめるために出来ること

では、ここからは本題ですね。

理不尽な扱いを我慢し続けるのは嫌だ、そう思っている方に我慢をやめていくために出来る事はどんなこと?というお話です。

①自分の気持ちを後回しにしていないか?に気づく

ポイント: 我慢が習慣になっている人は、まず“自分の感情を感じること”から始めましょう。
事例: 上司の言葉にモヤっとしたとき、「今、私、嫌だったな」と心の中でつぶやく。
小さな気づきが「自分の感情を大切にする」第一歩になります。

②「相手の気分」と「自分の価値」を切り離す

ポイント: 相手が不機嫌でも、それは“相手の問題”。あなたの価値とは無関係です。
事例: 家族が怒っていても「私は悪くない。相手がイライラしてるだけ」と心の中で線を引く。
境界線を持つことで、理不尽さを引き受けずに済みます。

③「言葉で伝える練習」をしてみる

ポイント: 我慢をやめるには、気持ちや感情を言葉にする勇気が必要です。
事例: 「その言い方は少し傷つきます」と短く伝えるだけでもOK。
完璧に伝えることより、「伝えようとした自分」を褒めてあげながら勇気を育てていきましょう。

④「安全な人間関係」で自分を出してみる

ポイント: いきなり職場や家族で我慢をやめるのは難しいので、まずは信頼できる人との関係で練習をしてみることも効果的です。
事例: 友人に「今日は疲れてるから行けない」と断ってみる。そして「我慢しなくても大丈夫だった」というような経験をすることで人との間の安心感を育てていくことが出来ます。

⑤「我慢=優しさ」ではないと知る

ポイント: 本当の優しさは、自分を大切にしたうえで相手を思いやること。
事例: いつも相手を優先して疲れてしまう人は、「今日は自分を優先しよう」と休んでみる。
我慢ベースではないバランスのいい人間関係は、自分を大切にすることから始まります。

いかがでしょうか?

これらのやり方を少し意識してみるだけでも、少しずつ理不尽な扱いをしてくる相手に対して、自分の強さが戻ってくるのがわかるようになります。

解決していくために一番大事なこと

理不尽な扱いを受けてしまう、我慢してしまうという人たちの多くは、自分自身の価値を低く見積もっていることが多いものです。

私なんて・・・とか、私にはどうせ無理・・・、など、自分の持っている力を小さく削りながら(過小評価)しながら生きてきた人が多いものです。

ですが残念ながら、そのあなたの小さくさせている姿が(生き方が)、理不尽な態度をとる相手を増長させてしまうという側面もあります。相手を良い気にさせてしまうのです。
『こいつには何をしても大丈夫だ』という風に、相手に自分のことを甘く扱わせてしまいやすくなる、ということ。
それがあなたにとっては大きな不利益になってしまいやすいのです。

あなたが相手との平和を望み、優しい気持ちで我慢をしていたとしても、残念ながらそのあなたの優しさを搾取し、利用し、ぞんざいに扱うタイプの人間は存在しています。そうした人に対してまで、あなたが我慢の姿勢を続けることは、時にはとても危険でもあります。

だから、理不尽な扱いを受け入れてしまう人、我慢してしまう人にいちばん必要なことは、私は誰にもバカにされるような人間じゃないし、誰にも粗末に扱わせたりしない、私は大事な人間だという心の底からの誇りと自信を取り戻すことなのです。

その自信を育てていくのは一朝一夕には難しいものですが、あなたの抱えて来た幼少期からの不安や恐怖、心の傷を癒しながら、行動を正しく変えていく練習を続けることで必ず、健全な自己肯定感を育てていくことが出来るようになります。

そして、もう一つは。理不尽な扱いを受けた時に感じる『怒り』は、あなたにとってとても大事なものだということも覚えていて欲しいのです。その怒りは、あなたが自分を大事に扱いたいと思っている根底の願いと結びついているもの、あなたの誇りや自尊心を育む為の原動力となるものだからです。

だからもし、理不尽な扱いを受けて『怒り』を感じたら、私は私を大事にしたいんだなと言って、その怒りを大事に抱きしめてあげてくださいね。

最後になりますが、今回、インタビューして頂いたまいどなニュースはこちらからお読み頂けます。インタビューして頂き、記事に採用して頂いたまいどなニュースさんには感謝申し上げます。ありがとうございました!

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