今日のコラムでは人を信じられないという悩みについてお話したいと思います。最後までお読みいただくと、人を信じられない人の心で起きていること、そして、その悩みを解決する方法がわかります。
きっと、あなたの心の悩みを軽くする役に立つと思いますので、ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
人を信じられないのは、人を信じないと決めているから
例えばあなたにはこんな経験はないでしょうか。
などなどです。

どうでしょうか?あなたはこんな気持ちに心当たりはないでしょうか。
人を信用できないと感じやすい人たちは、このような対人関係の中での強い用心深さや、人への不信感を抱きやすいと言われています。
これは信じるなという禁止令決断を持つ人の特徴で、人を信用することは危険なことだ、とか、人は自分を裏切り傷つける存在だという信念を持っていることが原因だと考えられます。
心理学における「禁止令(Injunction)」とは、交流分析(Transactional Analysis)という心理療法で用いられる概念です。これは、幼少期に親などの養育者から受け取る、人生を制限する否定的なメッセージを指します。
これらのメッセージは、言葉で直接伝えられることもありますが、多くは親の態度、表情、仕草といった非言語的な方法によって無意識に伝わります。子どもは、これらのメッセージを「生きるための教訓」として受け止め、自分自身の行動や考え方を制限する「人生脚本」を形成してしまうと考えられています。
信じるなという禁止令は
・自分しか信じられないという言動
・人からわなにはめられるような感覚がある
・信じられるものはこの世にはないと思っている
・対人関係で非常に用心深い
・人と親密になれずにうわべだけの付き合いになりやすい
・愛情は長続きしないと思っている
という行動や考えを持ちやすくさせると言われています。倉成宣佳著 交流分析にもとづくカウンセリングより引用
つまり、人を信用できないという悩みの本質とは、自ら『私は人を信用しない』と決断していることから起きているということを知ることがポイントになります。決して、性格が悪いとか、人を疑い深いのは自分の心が弱いからだ等ということではないことをまず覚えておいてください。
人を信じられなくなった理由
ではなぜ、あなたは人を信じられなくなったのでしょうか。なぜ、人を信用しないと決めたのでしょうか。
これは幼少期の親子関係に原因があると考えられます。もちろん、親子関係だけではないかもしれませんが(学童期の友人とのトラブルやいじめなども原因になりうるからです)、上記の禁止令決断は6歳ごろまでの未熟な子供脳の時代に決断されるため、小学生や中学生以降の体験は、子供の頃の決断を再確認するものになりやすいとされているためです。(やっぱり、人は信用できないんだ・・・という思い込みを強化する体験を増やしやすいためです)
人を信用しないと決断した人の親に多いパターンとしては以下のようなモノがあげられます。
などです。
いかがでしょうか。あなたの親は、こんなパターンをもっていなかったでしょうか。
ちなみに私の母親はこの4つの特徴を全部持っている人でしたので、わたしは長い間、人は信用できないという気持ちを強く持っていました。人に傷つけられることを恐れて、自分の心を開示できず、なかなか人と親密になれないと感じていました。
でも今は、その感覚はかなりうすくなっていますので、この記事を読んでくださっているあなたも、諦めないでほしいなぁと思います。ちゃんと解決していけますからね!
人間不信とトラウマの関係
先ほどの親の例をあげますと
- 約束を守らない親だった(遊びに行く約束を頻繁に破るなど)
- 言うことが気分によってコロコロ変わった(夜更かしはダメ!と叱った次の日は同じ状況で何も言わないなど)
- 親が周りの人の悪口をいつも言っていた(相手の前では笑顔なのに、帰ってきたとたんに悪口を言うなど)
- 親の被害者的な考え方が強く、いつも自分が傷つけられているという話を聞かされて育った
このような親を見て育つと、こどもはどう思うようになるか・・・と言いますと。
という信念を持つようになってしまいやすいのです。
一貫性のない親の発言や行動は、子供を非常に不安にさせるものです。『あの時は良いって言ったのに、今日はダメっと激しく叱られる、外ではにこにこ優しい顔をしていたのに、玄関に入った途端に鬼の形相に変わって怒鳴られる・・・。』
こうした親の一貫性のない行動は、子供の心に強いストレスをあたえるので
信用するから傷つくのだ。信用するから悲しくなるし、怖い思いをするのだ。だったら、最初から何も信用しない。もう、わたしは人の言葉なんて信用しない。
と決断するようになっていくのです。
人を信用するとはどういうことなの?
人を信用できないと思っている人たちの傾向として、人を信用する=相手の全部を信じるというようなイメージをしていることが多かったりします。
また、信用する人を選ぶ際にも、自分に良くしてくれる人や優しく話を聞いてくれる人を良い人だ、信用できる(信用したい)と思いやすい傾向もあります。
しかし。人にはいろんな面があるものです。優しい人でも機嫌が悪い日もあるかもしれませんし、疲れていたら優しくできない日もあるかもしれません。そもそも、優しい人は優しい人でいる努力をしている人(いい人でいようとしている人)である場合もあります。
簡単に言えば、人には様々な顔があり、気分の時があり、その相手の気持ちは自分にはコントロール不可能なものだということなのです。
人を信用してはいけないと思っている人は、心のどこかで相手に期待していることが多いものです。常に自分に優しくしてくれること、常に自分に親切にしてくれること、無意識にそんな期待を抱いていることが多いのです。
だから、裏切られた・・・と感じやすかったり、信用できない!と怒ってしまったりしやすくて、人間関係を一方的に切ってしまいたくなったり、勝手に不満を感じて相手を悪者にしてしまったりするわけなのです。
だからまずは、自分が相手に期待している要求は、実現可能な事だろうか・・・、実際には不可能なことを相手に要求しているのかもしれない、ということを知ることが大事なのです。

解決していくために知っておくといいこと
とはいえ。人間なのでやっぱり人に期待してしまう事はあるし、そもそも、こうしてくれたら良いのになぁと思うことは決してダメな事ではありません。(ここは大事なポイントです!)
ではどうしたら良いのか?ということになりますが、人に心の中で期待してしまった時は、『この期待は自分勝手な期待ではないだろうか』と考えてみることが大事だと思っています。
相手の都合を無視したような、無理な期待をしてはいないだろうか?と考えてみること、相手の立場を想像した行動を取ることです。そのうえで、自分の相手への要求が必要で適切な期待(こうしてほしい)という気持ちであるならば、きちんと言葉にして相手に伝えることが大事かなと思っています。
人間関係の中で『これはこうしてほしい』と伝えなければいけない場面は必ず発生します。そうした時に、きちんと自分の言葉で相手に伝えるようにすることで、あなた自身が不必要な被害者になることがなくなり、相手に対してもまた、不必要な加害者にすることがなくなっていきます。
自分を被害者にしないという生き方は、健全な人間関係を築くうえでとても大事です。そのうえで、あなたが必要だと思って伝えた意思を大事にせず、わがままだと決めつけたり、あなたの気持ちを無視して雑に扱うような人であれば、その人は信頼に値しない人だと選ぶこともまた大事なことです。
信用するなという禁止令は、信じたい人を信じられるようになることが再決断になります。そのためには、相手が信頼に値する人間なのか?を見極められるようになることも大事なんです。
でも、そうやって一つずつ自分の行動を変えていくと、本当に信頼できる人に囲まれた世界を自分自身の手で作っていけるようになります。自分の生き方に様々に影響を与える禁止令について、もっと詳しく学びたいという方は、ぜひセミナーにお越し下さい。心からお待ちしておりますヽ(^o^)丿

