こんにちは。心理カウンセラーの喜多村純子です。
この記事にたどりついてくださったあなたは、もしかしたら今・・・
「うちの子、学校に行きたがらない…」
「なんで行けないの?どうしたらいいの?」
と、胸がつまるような毎日を送っていらっしゃるのではないでしょうか。
実は私も昔、娘が高校生の頃に不登校の時期がありました。だからというのもおこがましいですが、お母さんたちのその苦しい気持ちは私にもとてもよくわかります。
朝になるたびに「行きたくない」と言われる。「え・・・また?」と思う毎朝。
行きたくないと言っているのに無理に行かせるのは違う気がするけど、このままでいいのか、いつまでこの状態が続くのか先が見えず不安になる日々。
「私の育て方が悪かったのかな」
いつもそんな風に私は自分を責めていましたが、もしかしたら今この記事を読んでくれているあなたも同じではないでしょうか。でも、そんなお母さんにまず知っておいてほしいのは、不登校は「親のせい」でも「子どもがダメ」なわけでもないということです。
この記事では、不登校の子どもを前に戸惑うお母さんのために、お子さんとどう向き合えばいいのか、
そしてお母さん自身が出来ることについてくわしくお伝えしていきます。
なぜ子供は不登校になってしまったのか
では、なぜ子供は不登校になってしまったのか。これは、世の中の不登校のお子さんを持つお母さんたち誰もが知りたいことだと思います。私も娘が高校に入学してすぐのころ、不登校になった時には思いました。
「どうして?」
「志望校に合格できて今からと言う時に・・・!?」
いきなり学校に行けなくなった娘の様子にとまどい、頭の中には「なぜ?」の問いが毎日めぐっていました。学校でいじめられたのか・・・?嫌な目にでもあったのか、先生とトラブルでもあったのか?不登校になった原因を探りたくて、隙を見ては「どうして?」という問いを娘に投げかけていました。
でも、娘からはいつも・・・

別になにもない
これだけ。
答えはいつも同じでした。ただ、学校に行きたくない、行こうとすると頭が痛くなる、体調が悪くなる。
本人は頑張って学校に行こうとする意志はあるものの、結局朝になると行けない・・・の繰り返しの日々。
理由がわかれば安心できるのに、納得できるのに・・・と当時の私はそう思っていて、理由もなく学校に行けない娘の様子にイライラすることも多々、多々ありました。
理由を知ることは本当に大事?
そんな日々が1年程も続いたころ、実はある時私はあきらめられたのです。
何を?と言いますと、娘を学校に行かそうとすることをです。そして、理由を知ろうとすることもあきらめました。
我が家の場合はではありますが、私が理由を知ろうとすることをあきらめられた一番の理由は、おそらくいじめや先生との揉め事があったわけじゃない(らしい)ことが、娘の話や様子を見ていてわかったということが大きかったように思います。学校には友達もいる、部活に行けば迎えてくれる友達もいる、つまり・・・学校の中の環境のせいではないらしいということが分かったからです。
それならば、もう、原因は娘の中にあるということになるわけですが、そうなるともう、私には手を出せない領域だとあの時観念したのです。
学校内の環境の問題であれば、環境を変えることで不登校の状態を止められるかもしれませんが、本人の心の中にある何らかのトラウマのような心の傷が原因であるならば、そのシコリを無理やりとる事は出来ない・・・
時間をかけて待つしかないなとそう思って、学校に行かせることをあきらめたのです。
その頃から私は娘に学校に行くかどうかを問うことをやめました。
唯一、お弁当の準備があるので、「今日は学校に行くん?」と言うことだけは毎朝聞いていましたが、偶然とはいえ「今日は学校に行くん?」という聞き方が良かったそうで。
のちに高校を無事に卒業出来た娘から、あの頃お母さんが「今日は学校に行くん?」と聞いてくれたから、「行かない選択を許されたんだ」と感じて楽になったと教えてもらいました。
この「行かない選択を許された」と言うことが、娘が不登校を抜け出すきっかけになっていきました。
学校に行きたくないから行けなくなってしまう
親はつい、不登校の子供が部屋でゴロゴロしていたり、ゲームばかりしている姿を見ていると、「この子は好きな事ばっかりして・・・」「他の子はちゃんと学校に行って勉強してるのに」と、ぐうたらしている子供の姿だけを見てしまい、子供の心のうちの苦しさに気付けないものです。
でもそれは、私はある意味仕方がない事だとも思います。
表面的には病気になっているわけでもなく、健康で元気でゲームをしたり遊ぶ気力はある・・・、ただ学校に行けないだけ、その姿の中から「子供の心の葛藤」に気付くのは容易ではないと思うからです。そもそも、そこまで母親に求めるのは酷というものだと思っています。
ただ、そうは言っても・・・。
子供自身も自分が学校に行けないこと、友達はちゃんと学校に行って勉強しているのに自分は勉強も遅れている、このまま学校に行かなかったらどうなるんだろう・・・と、このままで良いわけではない、と葛藤や不安でいっぱいなのもまた事実。親からは見えないだけで、子供の心には複雑な葛藤があるのだそうです(娘談)
その葛藤状態を抜け出すためには、子供の中にある「学校には行かなければいけない」と言うベクトルをゆるめてあげることが必要です。学校には行かなければいけない、でも今は行けない、自分の身体の両側にかかるやじるしで身動きが取れなくなっているのが不登校の状態です。
その片側のやじるしをゆるめてあげる方法のひとつが、「行かなければいけない」を緩めることなのです。そして、「行かなければいけない」と言うベクトルを緩めてあげられるのがお母さんの力だとも思っています。
不登校のお子さんを持つお母さんに必要なこと
不登校のお子さんを持つお母さんは、いつしか、心の中が子供を中心に回る感覚になっていきやすいものです。
朝は学校に行くかどうか・・・、昼はいつ起きてくるだろう?、夜はまた夜更かしして、こんな時間まで起きていたらまた朝起きれないんじゃないか・・・・・と言う風に
一日中、不登校の子供の事を考える時間に支配されがちです。もちろんそれは、子供を心配するからこそのことです。お母さんたちが不安で心配だからこそ、子供のことを考える時間に縛られてしまう、それは子供を思うゆえのもの、当たり前の気持ちだと思います。。
ですが、お母さんがずっと自分のことを考えていると言う状態は、子供にとっては苦しいものにもなりがちです。
いくら心配してくれているからと言っても、ずっと母親が自分の背中で「見ている」ような状態は、子供にとっては息が詰まってしまうことにもなりかねないのです。
ただでさえ、自分が学校に行けていない事で不登校の子供は自分のことを責めていることが多いものです。だからこそ、母親からの視線はどうしても責められている、というふうにも受け取りがちになります。(それは子供の認知の問題ではあるのですが致し方ありません・・・)
だからお母さんたちに必要なことは、子供と心理的な距離を取ることなのです。
子供と自分を密にしてしまっている状態に空気を入れること、それは例えば、お母さんが不登校のお子さんを持つお母さんたちの集いに行くなども良いですし、お母さん自身がカウンセリングなどをうけて心を軽くすることも効果的です。
不登校のお子さんの問題を解決するためには、お母さんが笑顔になれること、お母さんが幸せな心の状態に戻ること、が必要だと言われているのは、お子さんとお母さんとの間が息詰まるような状態に空気を入れる為でもあるのです。
解決していくために
子供のひきこもりや不登校の問題は、実際、最近とても増えていると聞いています。実際、わたしの実の弟はいい年ですが仕事を辞めて以来実家にずっとひきこもっています。ひきこもりの問題も不登校の問題も、私の身近で起きているものなので色々思うことはあります。
ですが、その色々な経験から思うのは、やはり、不登校にしても引きこもりにしても、子供の問題を解決する為には親からの何らかの変化が必要かなと思っています。それは、親の子育てが悪かったからとかいうことではなく、引きこもってしまったり、不登校になってしまった側の子供から、その現状を抜け出すエネルギーを出すのは難しい事が多いからです。
ひとは変わらずにいられるならばそれで良いと思いがちなものですし、今のまま変わらずにいられる状況を快と感じているのであればそれは尚更です。よく言われるように「人は困らなければ変わろうとは思わない」というのは事実です。
ですがなによりも。私は自分の経験からも思うのは、一番はお母さんが元気になって楽しそうに生きること、その姿を子供に見せることが一番の解決への近道だと思っています。
世の理でいえば必ず親は子供よりも先にあの世に旅立ちます。どんなに愛していても、順番から言えば親は子供より先にあの世に行くのです。だとすれば、一番子供のためになることは、私達親がいなくなっても子供がこの世でちゃんと生きていけること、自立して自分の人生を生きていけるように旅立たせてあげる事だと私は思います。
それこそが私達親が最後に子供に渡してあげられる愛だと思います。
だから、そのためにも。まずはお母さんがちゃんと幸せになりましょう。笑顔で毎日を自分の心を満たしながら、幸せを感じながら生きていける日々を大事にしましょう。
そのために自分の心をちゃんと癒して、そして自分の人生を取り戻していきましょう。