こんにちは。大阪・河内長野で自己否定を自己肯定に変える心理セラピーをしています、心理セラピストの喜多村純子です。
今日はセラピーを受けていただく方の悩みの中でも多いのですが、どこにいても私はここにいてはいけない、居場所がないと感じる悩みについてお話していきますね。
居場所がない・ここに居てはいけない感覚の正体
居場所がない、ここに居てはいけないと感じる感覚はとても辛いものです。私も心理の世界に入って自分を癒す前は、この感覚が根深くありました。学生時代も社会人になってからも周りの人と馴染めない感覚があり、まるで自分と周りの人達との間に薄い透明な壁があるような・・・、自分だけが周りの人と違うような、同じように笑っていても自分だけは違うような異邦人感をよく感じていました。
当時はスピも少しかじっていたので、自分が元は宇宙人で(笑)地球上に転生したから周りになじめないのでは?など、まじめに考えた事もありましたが、実はこの感覚は何の事は無く・・・幼少期の親子関係で安心感を育めなかった、心に安心安全がない人の特徴だということを心理学を学んで知った時は非常に納得しました。
それまでは、自分の性格の問題だと思っていたものが、幼少期の親子関係に原因があるトラウマによるものだと知れた事は、長く人間関係で悩んでいた私にとっては心に光がさしたような気持ちになったのを覚えています。
今はカウンセラーとして沢山の方の心理的な問題を解決するお手伝いをさせて頂いておりますが、かつての私と同じ「自分はここにいてはいけない気がする」「どこにいても居場所がない感覚になる」と言う悩みを感じていらっしゃる方は実はとても多いのです。
と言うことでこの記事では、自分はここに居てはいけない気がする、どこにいても居場所がないと感じてしまうという方に向けて、その悩みの原因と解決方法までをお話していきたいと思います。

あなたはダメじゃない。それはトラウマの影響なのです
まず最初にお話ししてしまいますが、どこにいても居場所がない感覚になるというのは、実はトラウマを持つ方に起きる代表的な症状と言われています。
つまり、今この記事を読んで下さっているあなたは、恐らく何かのトラウマを抱えていらっしゃる可能性が高いということ。気付かないうちに心に傷を負っている可能性があるという事なのです。
多くの人は自分の性格の問題だと思って、自分の身体の中に起きる症状を良くないものだと否定しがちです。
人前でドキドキすることや、緊張してうまく話せなくなること、周りの表情が気になって頭が真っ白になってしまうこと、なぜか他の人と同じように気楽に人と仲良く出来ないこと・・・
あげればきりがありませんが、これらの感覚を持っている人は、それを自分のダメな所だ・・・と自己否定していることも多いのです。どうして自分は人と同じように普通に人付き合いが出来ないんだろう・・・そんな風に否定的に捉えて、自己否定にしてしまっているということは多いのです。
だからこそ、私はまずそれはあなたの性格の問題ではないということをお伝えしたいのです。
あなたに起きている様々な症状(状態)はトラウマによる反応であり、あなた自身の人間としての能力の低さや、あなた自身の性格のせいではないということをまず知って頂きたいのです。
それを強くここで書いている理由は、自分の感覚をダメなものだと思ってしまうことが、多くの自己否定の問題の原因になっていることがとても多いからなのです。だからまずは、「え・・もしかしたら、私にはトラウマがあるの?そのせいでこんなに生きづらいの?」と言う風に受け入れるところからはじめて欲しいなと思います。
(トラウマについてはこちらのZOOMセミナーでもお話しますので、良かったら気軽に参加してみて下さいね。)
トラウマと愛着について
次に。トラウマをお話するうえで外せない愛着(愛着障害)についてお話していきます。
愛着障害とは幼少期の親や、周りの養育者との関係の中で健全な愛着を築けなかった時に起きるものです。本来守ってくれるはずの親が自分を攻撃してくる存在になってしまったり、愛してくれるはずの親に拒絶されたり・・
幼少期(0才から1歳半ごろまで)の親子関係の中で、こうした否定的な関りの中で育つと、子供は人と繋がる能力のベースとなる愛着を育てることが出来ず、様々な心の苦しみを抱えるようになっていくと言われています。
愛着障害を持っている人に起きやすい特徴としては下記のようなものがあげられます。
などです。これらはセラピーやカウンセリングに来られた方が言われる悩みでとても多いものをいくつかピックアップしてみたのですが、愛着に傷ついている、人に傷ついてきた愛着障害がある人の典型的な症状です。
トラウマは特別な人だけのものではない
では、どんな人が(あるいはどんなケースで)子供は愛着に傷をかかえるようなトラウマを持つようになるのでしょうか。殴られたり、暴言を吐かれたり、身体を触られたり、そうした身体的・性的な虐待がトラウマになるということは比較的容易に想像出来る事かとは思いますが
複雑性PTSDや発達性PTSDと言われるトラウマは、そのようなわかりやすい暴力・暴言だけが原因になるわけではありません。両親が目の前でずっと喧嘩をしていたり、母親が祖父母にいじめられている姿をずっと見ていたり、不機嫌な親のぐちを聞き続けてきたり、そうした目に見えた傷はつかないけれど、心(脳)にストレスがかかり続けるようなことが繰り返されると子供は複雑性PTSDとか、発達性PTSDと言われる症状を引き起こすことがあると脳科学的に証明されています。
(愚痴や悪口が脳に与える悪影響についてはこちらの記事も参考にしてみてください)
だから、トラウマと言うのはあなたが思っているよりも実はとても身近で、そして自分では気付いていなくてもトラウマを抱えながら生きている人は実はとても多いのです。
トラウマが特別な人だけに起きる特別なものではないということを知り、自分に起きている症状をトラウマによるものだと理解し、解決していくたことは生きづらさを軽くしていくためにとても大切なのです。

解決に向けて
では、解決していく為にはどうしたら良いのでしょうか。
ここに居てはいけない気がする、どこにも居場所がないと感じている人達にまず必要なことは、何度も書いている事ではありますが、自分にはどうやらトラウマがあるらしい・・・、そしてそのトラウマによって今の症状(ここにいてはいけないと思って逃げ出したくなる衝動や、どこにも居場所がないと感じて落ち着かなくソワソワする感覚が起きる)などが起きているのだということを理解し、受容することです。
私は幸せに生きるための心理学の受講生さんたちによくお話しているのですが、自分に起きていることをトラウマの症状として理解する方法のひとつとして、インフルエンザにかかっていると想像してみて?とたとえ話でお話しています。
インフルエンザにかかれば熱が出て、咳が止まらなくなったりしますよね。
身体の節々も痛くなって、数日寝込んでしまったりすることも当たり前です。
でも、そんなとき皆さんはきっと思うと思うんです。
だって仕方ない、インフルエンザにかかったのだから。熱が出るのは当たり前だ、咳が止まらないのも当たり前だ、仕事に行けないのも休まなければいけないのも仕方がない事だ・・・
と。
自分が今動けないのも身体がいつものように出来ないのも、インフルエンザのせいだからと思えばこそ、自分自身を責めたりすることはしないはずです。熱も咳も風邪の症状だから仕方がないと受け止めていると思います。
この仕方がないという考え方は、トラウマからの回復においても同じなのです。
居場所がないと感じて挙動不審になってしまう、人の顔色ばかり見てオドオドしてしまう、言いたい事を言えずに人に誤解されて気疲ればかりしてしまう・・・どうしてこんな性格なんだろう、とあなたが自分を責めているあなたの部分は、トラウマによって起きているだけのもの。あなたそのものが悪い訳ではないのです。
だからあなたには、「今、私はトラウマと言う病気にかかっているのだ」と理解することが大事なのです。
その過程をきちんと経て、私という人間が駄目なわけではなく、トラウマと言う病気の症状によってこういう事が起きているのだと理解して受容出来るようになっていくと、トラウマそのものの症状は連動して軽くなっていくようになります。
あなたが悪いわけじゃない。そのことを心の底から理解し、自分を受容して生きていけるようになるために、その一歩になるきっかけになれば幸いです。