こんにちは。
心理セラピストの喜多村純子です。
今回は、「母親のようにはなりたくない」「親のようには育てたくない」と強く思う人に向けて、その心理の背景と落とし穴についてお話しします。
「反面教師」にしてしまうのは、心を守るための防衛反応
毒親的な関係や、納得できない親のふるまいに苦しんできた人ほど、自分が親になった時に
「自分は絶対に同じようにはならない」
という強い決意を持ちやすいと言われます。
これは、心理学でいう「反動形成」と呼ばれる防衛機制の一つで、本来持っている怒りや悲しみなどの感情を
反対の行動で抑え込もうとする無意識の働きが起きるためです。
また、過去の体験に対して「白か黒か」で判断する思考(認知のゆがみ)が強くなってしまっている場合は
「親のやり方=完全に間違い」
「私はその逆をやらなければ」
という二極化した子育てになってしまうことがあります。

反面教師にすることのデメリットとは?
一見、「親と同じようにならない」ことは良い選択に思えます。
ですが、そこに怒りや恐れがベースになっていると、次のようなデメリットが生まれてきます。
① 子育てが“恐れ”からの行動になる
「こうしたら親のようになるかも」とビクビクしながらの子育ては、不安ベースの関わりになりがちです。
すると、子どもの一言や態度にも過敏になり、余裕を失ってしまいやすくなります。
② 自分の本音が見えなくなる
「親の逆をやろう」とするあまり、“本当に自分が望んでいる子育て”が見えなくなることも。
それは、親ではなく「親を否定する自分」に支配されている状態ともいえます。
③ 本当の癒しが遠のく
実は、反面教師という姿勢は、過去の親との関係にまだ怒りやわだかまりが残っているサインです。
本当はその感情に向き合い、癒すことが必要なのに、「反面教師」という行動だけで封じ込めてしまうと、
根本の感情が未処理のまま残ってしまうのです。
必要なのは「親を超えること」ではなく、「自分を知ること」
親のようになりたくないと思う気持ちは、あなたがたくさん傷ついてきた証拠です。
そういう意味であなたが親を反面教師にしたくなる、それは自然な気持ともいえるでしょう。
でも、そこから一歩進むためには、
「親を否定すること」ではなく、「自分の本音と感情に気づき、癒すこと」が大切です。
反面教師ではなく、「自分なりの軸」を育てること。
それが、あなたらしい子育てと、心の安定につながっていきます。
カウンセリングでできる「未完了の感情の癒し」とは?
反面教師になる背景には、怒り、悲しみ、さみしさ、怖さなど、
子ども時代に十分に感じられなかった「未完了の感情」があります。
それは、見ないようにしてきたものかもしれませんし、
すでに忘れたつもりになっているものかもしれません。
でも、その感情は今も、あなたの心の奥で「わかってほしい」と待ち続けています。
カウンセリングでは、そうした未完了の感情にやさしく寄り添い、
少しずつ安心して表現し、癒していくプロセスを大切にしています。
傷ついたままの「小さなあなた」に言葉を届けるように──
怒りや悲しみを、誰かと一緒に感じ直していくことで、
自然と力が抜け、本来のあなたらしい感情や関わり方を取り戻していけるのです。
あなたの「子育てのしんどさ」は、あなたが悪いからではありません
「子どもに怒ってしまう自分が嫌」
「母親と同じようなことを言っている自分に気づいて落ち込む」
そんなふうに、あなたは今、自分の子育てをひとりで責めているかもしれません。
でもそれは、あなたが未熟だからではなく、過去の心の痛みがまだ癒えていないだけ。あなたが駄目な母親だからでもないですし、あなたがダメな人間だからでもありません。
その痛みは、ひとりで抱える必要はありません。

Natureでのカウンセリングでは、どんなあなたの本音も気持ちも否定しません。
あなたが安全に心と向き合える場所をご提供しています。
だからもし、今の子育てや親との関係に少しでも苦しさや葛藤を感じているなら・・・
どうか一度、お話を聴かせてください。
あなたの心にそっと寄り添いながら、
本来のあなたらしい生き方を一緒に見つけていきましょう。