心理セラピーやカウンセリングがしんどい時

今日のコラムでは心理セラピーやカウンセリングを受けたあとに、しんどくなってしまったことがあるという方に向けて、その理由をお話していきたいと思います。

心理セラピーやカウンセリングの後でしんどくなるのはなぜ?

例えばあなたにはこんな経験はないでしょうか。

セラピーやカウンセリングを受けたあと、その日は気持ちが軽くなって楽になれたように感じたのに、数日たつとリバウンドのような症状が出て、感情に揺さぶられやすくなってしまったり、今までは気にせずにいられた周りの人たちの言動にピリピリするようになったり、周りの状況に反応しやすくなって疲れやすくなってしまった。

このようなケースは、実際、私のカウンセリングやセラピーに来て頂いているクライアントさん(特に継続で受けて頂いている方)にも、この状態が時々起こりますので、その都度ご相談をお聞きしています。

Natureの継続コースではそのコース期間内に不安になってしまった場合や、自分の今の状態が大丈夫かな?と感じてしまった時に、その不安を放置しないで済むように、安心してご相談頂けるように、メールフォローをお付けしています。

せっかく楽になりたくてセラピーやカウンセリングを受けたのに、後からしんどくなってしまったら、なんのためにカウンセリングやセラピーを受けたのだろう・・・そんな風に感じてしまう方もいるかもしれません。

残念ながら世の中には、クライアントさんの心を傷つけるような決め付けの言葉や、人格否定をするような言葉を使うセラピストやカウンセラーもいますので(私もそういうケース、カウンセラーから傷つけられたことがあるというご相談を何人かの方から聞いたことがあるので知っています)、その場合のセラピーやカウンセリング後の傷つきはちょっと種類が違うものになります。

今回のお話は通常のセラピーやカウンセリングを受けた後に起きる、心の落ち込みや不安定さについてのお話として読んで頂ければと思います。

そのためにまずは、カウンセリングやセラピーの目的についてお話したいと思います。

カウンセリングやセラピーの目的とは

カウンセリングやセラピーには世の中に様々な技法があります。私はそんなにたくさんのカウンセリングの技法やセラピーの技法を知りませんので、ここには挙げられませんが沢山あるなぁということは知っています。

ですが、どんなカウンセリングの技法もセラピーも、最終的に目的地にしていることは同じだと思っています。

それが、クライアントさんの今の悩みを解決していくためという所です。

では、今の悩みを解決するために避けられない事はなにか?と言うことになるわけですが、それが自分の問題や悩みの本質と向き合うことと言うことになります。多くの人は自分の悩みを表層で捉えています。表層と言うのは、もうすこしわかりやすく言えば、頭の表皮の部分でとらえているような、表面的に捉えているようなイメージです。

つまり、自分の感情や感覚を伴って、その感情や感覚を生々しく感じながら、腑に落とした状態で悩みの本質と向き合えているというひとは少ないと言うことです。

例えば子供の頃から、両親が仲が悪くてその姿をずっと見ているのは辛かったし嫌だった、その感覚があるから今も何となく人を信用できなかったり、パートナーに対して不信感や苛立ちを感じやすかったりする、と言う悩みを持っている方がいたとしましょう。

このような方の場合は表面的な部分では、嫌だったという不快感や怒りと言うのは比較的感じやすい(自分でも受け止めやすい)感情に分類されますのでその部分については理解は難しくはありません。

ですが、セラピーやカウンセリングを受けると、この表面的な嫌だったという不快感の下にあった、自分に関心を向けられていない寂しさや、こんな仲の悪い夫婦の間でどうして自分は生まれて来たんだろうという惨めさ、休みの日に近所で見かける周りの仲良し家族と比較して恥ずかしさを感じる、などの、もう一つ下の層に隠れている本音に気付いていくようになります。

言い方は変かもしれませんが、カウンセリングやセラピーを受けることで、表層の下にずっと隠していた自分の本当の気持ちに気付くようになってしまうのです。

それが心理セラピーやカウンセリングの目的なのです。

心の回復過程で起きる不安定さは自然な心の動きです

ですが。今まで平気なフリをしてきたり、自分の感情が揺れないように抑えて来た人達にとっては、自分の感情の動きはとてもしんどく感じるものです。

感じないように、心が揺れないように、不安定にならないように抑えて来たということは、逆に言えば、感じてしまうことや心が揺れてしまうこと、不安定になってしまうことが何よりも嫌なことだったという事だからです。

自分が避け続けてきた嫌な状態が心の中に起きる・・・・
そう考えれば、しんどくなるのが当たり前で自然なことだということが分かって頂けるかと思います。

ネガティブな感情はあなたを幸せに導くために起きている

人はポジティブな感情は受け入れやすいものです。

楽しいとか嬉しいとか、感じたら気分があがるような感情については比較的感じやすい人が多いかと思いますが、寂しさとか不安とか怖さとか、ネガティブな感情については避けたいと思いやすいものです。

ですが、先ほどの例でお話したようなケースの場合、周りの仲の良さそうな家族を見て「良いなぁ・・・」と感じる嫉妬や羨ましさといった感情は、あなたが本当に欲しいものに気付くために起きている感情でもあるのです。

こんな仲の悪い夫婦の間でどうして自分は生まれて来たんだろうという惨めさという感情は、仲のいい両親のもとで愛されて大切にされたいなぁという子供の持つ自然な欲求に気付くために起きている感情です。

感情とはこのように自分の欲求に気付くために起きていることも多いのです。

つまり、ネガティブな感情はあなたに本当に欲しいものを、あなたが自分の人生を幸せに生きていくためにほしいと思っているものを無意識から伝えてくれている、教えてくれているとも言えるのです。

解決していくために

セラピーやカウンセリングは今の生き辛さやしんどさを軽くしていくためのものです。ですが、解決への道は目の前に転がっている石や穴に気付きながら進んでいくしかありません。

でも、その目の前の石や穴をひとつずつ取り除いたり、埋めたりしながら進んでいくと、あなたにとってその石や穴は怖れるものではなくなっていきます。自分の手で石を取り除けた、自分の手で穴をふさぐことが出来た、と言う小さな経験の積み重ねが自分への自信になっていくため、石に揺さぶられること、穴の存在に怯えることが減っていくのです。

人生は平たんな道ではありません。やっぱり、何度も小さい石や穴は目の前に現れることでしょう。それは生きていくうえでは避けられない事です。だからこそ、私には乗り越えられる力がある、こういう風にしたら石は取り除ける、こういう風にしたら穴は埋められるという体験を少しずつ重ねていくことが、人生を生きる自信を育てていくことが幸せな人生を創る事になっていきます。

ただ。カウンセリングやセラピーの中で「これは話したくない」「これ以上はむりだ」と思った時は、その気持ちをきちんと伝えることが大事です。どこまで話すか、どこまで打ち明けるかの選択権を自分自身が持つということがとても大事だからです。

そのうえでもしも、あなたがカウンセラーやセラピストに、「これは話したくない」と言う気持ちを伝えたのに、それを受け止めてくれないとか、その言葉を否定的に扱ってくるというような場合は、それはそのカウンセラーやセラピストに問題があると判断していい場合もあるかもしれません。

カウンセリングやセラピーの一番大事なことは、カウンセラーとクライアントがともに信頼しあった関係の中で、悩みを解決する道を並んで歩くという姿勢です。それが守られているということを前提として、今回のこのお話は読んでいただければと思います。

心の回復のステップについては、心理学の知識を学ぶことがとても役に立ちます。Natureでは定期的にセミナーやお茶会を通じて、わかりやすく心理学を学んで頂ける機会を提供しています。良かったらご利用下さい。

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